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リズムトレーニングとは?学校でリズトレ論を教えるダンサーが解説!

ダンスの基礎をしっかりと固めたいのでリズムトレーニングをやりたい!しかし、「そもそもリズムトレーニングってなんなの?」や「どういったトレーニングなのかもあまりわからない」と言った方は多いのではないでしょうか?

また、ダンスをはじめたいと思った方で、リズム感がないけど大丈夫かな?と不安になられることもあるかと思います。

結論からいいますとリズム感は、練習次第で身に着けることが可能です。

また、日本人で初めからリズム感にすぐれた人は少ない事も分かっています。

現在プロダンサーとして活躍する方々も最初はみんな苦戦していたんです。

理由としては以下のようなことがあります。

  1. そもそもリズム感が無い
  2. リズム感はあるのですが、その表現ができない

ほとんどの方が②(リズム感はあるが、その表現ができない)に該当しますので、

あきらめずに、失敗を恐れないで繰り返し練習することにより、必ずリズム感は良くなります。

さっそくリズム感トレーニングについて解説してみましょう。

リズムのイメージ

リズム感とは?

リズムの定義はそもそもこうです。

リズム(Rhythm)という言葉は ”調子よく流れるもの” 

英語でいえば ”Flow”という単語が一番近いです。

これには、何かが一つの方向に、途切れることなく、連続的に動いていること。

という意味があります。

つまり、リズムとは、”何かが、ある一つの方向に流れている状態”を意味しています。

ダンスで考えるならば、一定の周期運動と捉えることができます。

つまり、ダンスでいうリズムに乗るとは、一定のテンポで構成される曲(流れ)に対して、私たちダンサーはそれ(流れ)に乗っかっていく感覚なんですね。

この周期運動を行う為に、基本的な身体の使い方や、アイソレーション(身体の各部位を使うこと)が必要になるのです。

そして、音楽を聞いた瞬時にリズムを感じれるようになることや、自分のリズムを作り出せる人が、まさにダンサーにおけるリズム感が優秀な人だといえるでしょう。

(身体表現するためには鍛錬が必要ですが)

ダンサーがよく使うリズム用語

ここではダンサーがよく使用する言葉を先に理解しておきましょう。

ダンサーの言葉はとても分かりやすく、この音でドーンとか、カッっ!とか

うまい効果音を使って音の表現の意思疎通をしたりしますので、あまり難しく考える必要もありませんので安心してください。(笑)

以下はよく出てくるダンサーのリズム用語をまとめてみました。

ワンエイト

1.2.3.4.5.6.7.8の八つのカウントで一つと考えて、ワンエイトやツーエイトなど振付の尺を表したりします。(二小節でワンエイトです)

オンビート

1.2.3.4とカウントする所でリズムをとることを指します。

※ビートとは拍子や強いリズムを指すことが多いです。

裏どり

裏でとるということ、1.2の間にあるエンドのカウントで音をとることを指します。

16ビート

1.エンド2.エンド3.エンド…とワンエイトを分割して16で音をとることを指します。

アフタービート

1.2.3.4.5.6.7.8の2.4.6.8のアクセントで取る事。HIPHOPやR&Bなどの音楽に多いとされます。

遅どり

音をしっかり聞いて、そのカウントの一番後側でとること、言葉で説明しにくいですが、ワンと表記するなら”ン”の部分。ツーとなら”ー”の部分といった感じでしょうか。ポッピングやアニメーションダンスには必須のスキルでしょう。

早どり

音を聞く前に動いてしまうこと、焦ってしまっているときや、知ってる音などで踊ってる際に先走ってしまう事。悪い意味で使われることが多い。

そのほかにも、ポーズやストップ、など身体の使い方でリズムをとる言葉や、カノンやシンクロなど振付の構成を表すものまで、沢山の用語がありますが、ここでは初心者向けということで割愛しています。先生によって色んな言葉で伝えることもありますので、わからなければ素直に質問すれば良いと思います。

 

グルーヴ

ただ、最後にグルーヴ(Groove)という言葉だけ詳しくお伝えしなければなりません。

一説では、グルーヴとはカウントで音を取るだけではなく音楽を聞き取り、体で感じて得られるものと説明されています。

これは正解だと思いますが、初心者にとってはとても抽象的で雲を掴むような説明だと思います。

もう少し詳しくお伝えしますと、この言葉の由来はアメリカで生まれた黒人音楽、ジャズからきているとされます。

ミュージシャンの目線では、バンドメンバー全員が一体となり、一つのビートを作り出す状態を指します。

ダンサーの場合は曲と一体になる感覚に近いと思います。

由来は、

アナログレコードです。

レコードにはいくつも溝が刻まれていて、レコードの針がその溝を通り音楽が流れます。

このような溝にハマる感覚から、現在の意味のグルーヴという言葉が浸透しました。

そこからGroovyという言葉も生まれています。

これを日本語に直訳すると、”ごきげん”と訳す人もいます。

まさに、曲をレコードの回転数に合わせて、ごきげんに踊り進むというイメージが良いかもしれません。

このことからリズム感を鍛えなくては、グルーヴすることができないことが少しは分かってもらえたかと思います。

私たちが踊る音楽のテンポは※BPM(100前後)といわれています。もちろんBPM=120~130やBPM=90などでも踊られる曲はありますが、あまりにピッチの速い曲ではグルーヴするのは難しいとされています。

※Beat Per Minuteの略 医学用語で一分間の心拍数を基本的に示しています。

リズム感は才能なのか?

ここで皆さんに単刀直入にいいますと、”才能です”という言葉が適切になってしまいます。

ただし、落胆する必要はありません。トレーニングしだいで後天的に身に付けることは十分可能です。

まず、才能がある人とは、ズバリ運動神経のいい人です。

どんなスポーツでも格闘技でもいいのですが、すぐれた選手はリズム感をもってプレイしていることがわかると思います。バスケットボールにしろボクシングにしろ、テニスや野球にしろ、注意深く観察すると沢山のリズムを感じる事ができるでしょう。

それでは私たちが踊る時に欠かせない。音楽界にも目を向けてみましょう。

私たちが踊る時に使われている音楽のルーツはほぼブラックミュージックがルーツになっています。ブルース、ゴスペル、ソウル、ファンク、ロック、ジャズ、ヒップホップ、ラップ、レゲエ、ラテン・・。もはや幅が広すぎてブラックミュージックと総称するしかないのですが、数々の音楽ジャンルをアフリカ系民族にルーツを持つ黒人ミュージシャン達が生み出したといえるのです。

アフリカ系のダンサーや太鼓を叩くミュージシャンなどをみてもらえるとわかりますが、

私たちとは育ちも環境もまったく違いますし、遺伝子も違います。これは100年や200年で変わるものではありません。

ここで理解していただきたいのは、

私たちにリズム感が無い事は普通のことである。表現できなくても恥ずかしくもなんともない。ということです。それは、経験が無いだけなのです。

後述するトレーニングを取り入れることでその経験を獲得していくことが可能です。

先ほど言いました通りプロダンサーの方でも最初はリズム感がなかった方もいるのです。

(先ほど言いました通りもちろん例外の人もいます)

ダンスの基本的なリズムの取り方

ここから、ダンスを初めてすぐに練習する基本の動きを見ていきます。

これがリズムを表現するための最初の道具になりますので必ず習得してください。

リズムの取り方は大きく分けて、4つあります。それは、アップ、ダウン、前ノリや後ノリのリズムです。

まず、アップとダウンですが、これらはジャンルを問わず必須のリズム取りです。

アップをするためにはダウンの姿勢から初動する必要がありますので、どちらかだけを練習というより二つとも練習することが好ましいです。

次に、前ノリや後ノリのリズムです。こちらも引いた状態から前へ、前傾の状態から後へリズム取りを行いますので、同様に両方の練習をした方が効果的といえます。

これらの動きに、ステップやアイソレーションなどの技術を利用したり、様々な動きを連動させたり、様々な動きで表現していくのがダンスです。

この他にも様々なリズム取りがありますので、できる限り後述していきます。

そのためにも基本の動きとなるこれらの、”上下前後”のリズム取りを得意になる必要があります。

余裕があれば、そこに横に使うリズム取りを入れれば良いと思います。

リズムトレーニングとその他のトレーニングの違い

ダンスは音楽とともに踊られる事が多いですので、まったく違うということではありません。すべてリズムありきのトレーニングですので、リズム感も養われると思います。

ただ、各トレーニングにおいて主たる目的が違うんです。

筋肉トレーニングやストレッチなどは、ご存じの通り動けるダンサーの身体を作るものです。

一方、アイソレーションなどは、各部位を意のままに動かせるようにするトレーニングです。

その動かせる身体を使って、音楽に合わせてさまざまな音を表現する。

これがリズムトレーニングといえるでしょう。

常に同じ動作を続けるような練習はノリを作るものですので、リズムトレーニングといえますし、各ジャンルの雰囲気を出すためにとても重要な練習です。

その動きに手や足など動かす部分を増やしていったりする練習は、意識の分散による質感の低下など防ぐ練習です。

ある程度のパターンの反復練習などは、とっさの対応力や、よくある基本のパターンから身体の繋がりを学んだりする事だったりします。

先にも述べましたが、たいていのダンスは音楽とともに踊られますので、大きく捉えればすべてリズムトレーニングといえますが、リズム感を直接鍛えるトレーニングというのが今回の題材になっています。

それではリズム感を鍛えるのに適した、基本の動きを解説していきましょう。

ダウンのリズム

ダウンのリズムは音に合わせて身体を落とす動き、リラックスした状態を心がけて、

膝も固くなりすぎないように抜いた状態ではじめるのが良いでしょう。すこし腰掛けるようなイメージで行うとやりやすく、ややお辞儀するような感覚を持つと立体的に見えて様になってきます。

もちろん胸を起こしたまま行う事もありますし、手の使い方なども様々ですので、

下半身の動きにしっかり慣れたら色んな状態でチャレンジするとよいでしょう。

しっかり地面に体重を伝える事、床を押すような感覚で行うことで安定したダウンができるようになります。

※バウンズ(bounce=はずむ)という表現もよく使われます。

アップのリズム

アップのリズムもダウンの時と同様の意識です。体幹を意識した上でリラックスして下さい。体を精一杯上へ伸ばし上でリズムを取ります。基本の練習の時はつま先立ちになるまで伸びる必要はないですが、胸を引き上げるイメージをもつとアクセントが取りやすくなります。

体を上に引き上げるために、準備のダウン(ここではダウンのリズム取りほど深くいく必要はありません)が必要になってきますので少しコツが必要になります。

前のり 後ろノリ

胸や腰、首など前方方向に当てるようなイメージでリズム取りをしていきます。

打つという表現が適切かもしれません。

様々な部位を使い分けて練習すると応用度があがりますのでチャレンジしてください。

下半身は上半身使い方で変わってきますので注意が必要です。

ここでも体幹を意識してリラックスした状態で行うことが大事です。

また上半身・下半身と書きましたが、これらが連動している意識を持つことも重要です。

緊張して固まってしまうと動きも小さくなりますし、ノリがでません。

体幹を感じながら、動きの中で脱力すること。

これにより、”タメ”や”シナリ” ”キレ”など様々な音を表現していきます。

慣れてきたら、強弱の変化もつけていけると良いと思います。

イメージを高めてみよう

ダンスは表現ですので、イメージを持って練習することがすごく大切です。

例えば、

木をイメージしてください。一本の太い幹を体幹と捉えてみてください。

枝や葉を手や肩などに例えてみるとイメージできると思います。

次に波をイメージしてみてください。音楽に合わせて波をイメージして、そのビートと次のビートの間を波の沈みと戻りで繋いでいくイメージをしてみてください。ホップしてハネたリズムにならないように、しっかり沈んで、戻ってを繰り返してください。

他にも、

先ほどのバウンズのイメージでボールが弾むようなイメージ。

大きな釘を大きなハンマーで打ち込むイメージ。

他にも様々な表現があるとは思います。

音を表現できれば何でもよいと思います。

その表現をしっかりジャストで絶対外さないようにリズムを取れば良いと思います。

こういった表現に苦手意識がある方は、実際にダンスを観るのも良いと思います。

好きなダンサーの音を感じ取りそれを体現するのです。

私はよくこちらの番組で研究していました。

こういったイメージを持ったうえで、本格的なトレーニングを行っていきましょう。

リズム感を養う必須トレーニング3選

一定のテンポでリズムをとろう

まずはしっかりとテンポを守って、完璧のタイミングでオンビートで取ることが大切です。

絶対ビートといったりインテンポといったりもしますが、寸分の狂いもなく完璧に取ることを心がけてください。手拍子をしながらやるのも良いと思います。

ゆっくりとしたテンポで練習しよう

最初から早いリズムで練習するのでは無く、最初は、BPM=100前後の曲で、もしくはそれよりゆっくりでも構いません。それに慣れてからスピードアップしても音を外さないようになるまで練習してください。ある程度どんな音でもリズムがとれるようにしてください

ここで、”シナリ” ”タメ”  ”キレ” ”強弱”などをマスターするといいと思います。

私生活からできるリズムトレーニング

普段の生活の中で歩く事は多々あると思います。こんな時にもリズムトレーニングは可能です。

歩きながらリズムを取るトレーニングはとても有効です。自分の歩くテンポに合わせた曲をチョイスして、そのリズムで一定に歩けるようにしてください。

音楽には、大きく3つの要素があります。

1,メロディー(旋律)2,コード(和音)3,リズム

ここではリズムに合わせて歩いているわけですから、歩きながらメロディーやコードを聞いて口ずさんだり、感じたり、手で表現したりしていくのです。これらが難しく感じる方は、歩きながら、今流れている色んな音を聞き分けていく練習でも良いと思います。

しばらくするとわかって来ることがあると思います。

ダンサーは音を聞きながら、身体にも意識も伝えて技術を出して踊っているのです。

慣れれば必ずできるようになりますし、

だんだんと容易にできるようになってきますので安心してください。

失敗を恐れずに日々の習慣にしてみてください。

練習を効率的に行うためのアドバイス

練習できる環境を整えよう

便利な道具をうまく活用して、練習環境を作っていきましょう。

例えば、現代社会でとても便利な道具がスマートフォンです。

もちろん姿見(鏡)もあれば良いとは思いますが、リズムトレーニングの練習の場合はスマホがあれば問題ないでしょう。

メトロノームのアプリを使ったり。

練習を撮影して確認したりして、細かなずれや、ぎこちなさが無いか確認してみてください。

スポともダンスなどのダンスアプリでは、プロの意見を聞く事もできますので、ダンスをはじめたばかりの方では気づかないようなアドバイスも、すぐにもらえると思いますので上達の近道になると思います。

リラックスした状態で体幹を意識しよう

練習に熱が入ってくるとやりがちなのが、”力む”ということでしょう。

ときに深呼吸してリラックスした状態で練習してください。

力むと身体を上手く使うことができません。ただ体幹は意識する必要があります。

体幹を意識しつつリラックスした状態を作る。

これは一見、二律背反しているように思うかもしれませんが、

運動神経のいい方は自然とこれを行っているのです。

そういった方の立ち振る舞いや、姿勢、歩き方、走り方など体の使い方を研究してみるのもとても有効だと思います。

リラックスしている女性のイメージ

キッズダンサーへ向けた、楽しいリズム感トレーニング

子供達にリズム感トレーニングを行う場合は、楽しく遊びの延長で感覚的に理解してもらうことが良いと思います。楽しくリズムを感じれる練習をご紹介します。

手遊びでリズムをとってみる

幼少期の子供にはうってつけの練習だと思います。例えば「おべんとうばこのうた」や「アルプスいちまんじゃく」など、お好きなものをチョイスしてください。

この手遊びにダウンのリズムやアップのリズムをいれてやってみてください。

これは意外と大人でもできなかったりするものです。

ダンスのコツである、リズムを取りながら振付をする事の初歩段階の練習になると思います。

一分間あてっこクイズ

子供達は様々なことに興味を持っています。

裏を返せば外的要因により集中力が途切れやすいともいえます。

リズム感トレーニングをする為には、ある程度の音楽に対する集中力が必要になってきます。

そこで、この「一分間あてっこクイズ」をおこなってみてください。

最初にお好きな曲の丁度一分のタイミングを教えて上げてください。

そこからは、目を閉じたり、ダウン、アップ、手拍子などなんでもいいですので、

タイミングをはかってもらいって、子供達に丁度一分を当ててもらいましょう。

これまた大人でも難しいですので是非ご家族でチャレンジしてみてください。

言葉遊びも立派なリズム感トレーニング

昨今の人気から”ラップ”(rap)ミュージックを知らない人はいないと思います。

ヒップホップの4大要素の一つです。この言葉にもリズムがあります。こちらもすごく参考になりますので、沢山聞く事をお勧めしますが、子供達にチャレンジしてもらうのは、

なつかしの「マジカルバナナ」です。

知らない方はこちらを参考にしてもらうと良いと思います。

言葉には様々なリズムが入っていますよね。

ば・な・なでも「スイーツ」「チップス」でも、長音、促音など、いろんなリズムがありますよね。これに、アップやダウンのリズム取りを入れつつ、メトロノームの一定のテンポに合わせて、遊び感覚で練習してみてください。

とても楽しいリズムトレーニングになると思います。

他にもリズムに合わせて、早口言葉・回文・しゃれでも付け足し言葉でも、なんでも良いと思うのですが、リズムに合わせて言葉遊びをすることだけでもリズム感を鍛えることができると思います。

■まとめ

これまで見てきたように、本来リズム感があるのに表現と理解ができていないだけ・・。

というのが大半であることが分かったかと思います。

後は実践あるのみです。

ゆっくりと何度も練習して、あせらずに基本を大切に何度も練習してみてください。

私たちの心臓の音が無意識にビートを刻むように、

私たちの身体も自然とビートに反応してくれるようになりますよ。

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